〇不動産投資のデメリット
前回不動産投資のメリットを書きましたが、今回はデメリットを具体的に述べたいと思います。この記事を読むことによって、大まかな不動産投資リスクを把握できると思います。
FXや株と比較してこちらも大きく2点あります。
①初期費用が大きい
②最初に売買手続が必要な上、管理が必要
①初期費用が大きい
株やFXは銘柄を選べば少額投資が可能ですし、取引手数料も数百円程度です。手数料は少額のため損失にはほとんど影響しません。ところが不動産の場合、売買手数料が数百円では済みません。1000万円のワンルームマンションだと40万円くらいを不動産屋に仲介手数料として支払う上、銀行のローン手数料、登記費用、印紙、不動産取得税と全部で物件価格の8%程度かかります。(この8%のうち仲介手数料等は建物の減価償却費として、残りはその年度の経費として算入できるため、所得税率が高い人は税金が軽減され、実際には5~6%になりますが。)
数百円単位で投資できる株やFXと比べると不動産は初期費用が多く必要であり、参入障壁が高い。
②最初の売買手続が必要な上、購入後は管理が必要
不動産投資の購入には結構手間が掛かります。流れとしては、物件の検索→物件資料の取り寄せ→物件の現地調査→買付申込→売買契約書締結→(ローン審査申込→審査完了→金消契約締結)→決済+登記手続き、といったステップを経る必要があり、ワンクリックで購入できる株・FXと全然違うことが分かります。特に融資を受ける場合、ローンの審査が事前審査・本審査と2段階の銀行も多くあり、審査だけで2ヶ月以上かかることも珍しくありません。
購入後についても、株・FXは画面で状況確認がすぐにできますが、不動産はそういう訳にもいきません。1棟であれば建物の設備全てを自分で維持管理する必要があります。 ワンルームマンションであっても、共用部分を管理会社がメンテナンスしてくれますが、専有部分の設備については所有者が管理することになります。機器が故障した時は自分で業者を手配し修繕する必要があります。(もちろん、管理会社に全て依頼して、管理自体をしなくてもいいようにすることはできますが。) 他にも家賃滞納、空室時の賃貸不動産会社への仲介依頼等もする必要があり、物件を所有している限り管理から逃れることはできません。不動産投資が不動産事業と呼ばれるのはそのためです。
このように売買手続、その後の管理メンテナンス、仲介依頼等はFXや株に比べ、とても手間がかかります。所有物件が1件だけであれば、管理の仕事自体は数年に一回程度で済みますが、10件とかある程度戸数が多くなってくると結構な頻度で対応が必要になってきます。そのため、自分の物件をまとめて管理してくれる不動産会社に依頼するのも一つの手ではありますが、1件あたり毎月2000~3000円を取られるので、収益性は下がります。自分の労働環境により、管理を不動産会社へ依頼するか自主管理するかは判断する必要があり、そのあたりも計算にいれて、物件を購入しなければいけません。
このようなデメリットを書くと、不動産投資は難しいと感じる方も多いと思います。しかし、常に忙しい訳ではありませんし不労所得と言われるくらいですので、時間当たりの単価で言えば稼げる投資ではあります。次回以降はどういう人に向いているかについて書きたいと思います。